二〇二〇年、世界的なコロナ禍でライブやコンサートが次々と中止になり、「音楽が消える」事態に陥った。集うことすらできない―。交響曲からオペラ、ジャズ、ロックに至るまで、近代市民社会と共に発展してきた文化がかつてない窮地を迎えている。一方で、利便性を極めたストリーミングや録音メディアが「音楽の不在」を覆い隠し、私たちの危機感は麻痺している。文化の終焉か、それとも変化の契機か。音楽のゆくえを探る。
音楽の危機――《第九》が歌えなくなった日 (中公新書)
著者:岡田暁生
出版社:中央公論新社
体裁:新書判 256ページ
定価:本体820円+税
ISBN:978-4-12-102606-4